僕が保育園に通っていた頃のこと。
ある日、保育園の先生がみんなの前で手品を披露した。
その手品の内容は、ティッシュを細長くちぎり、それをラーメンのお椀に入れ、そこにお湯を入れてテーブルの引き出しに入れる。「1,2,3」と数えて引き出しの中からお椀を出すとラーメンが出来上がっているというもの。
この手品のタネはあらかじめ引き出しの中に出来上がったラーメンを忍ばせておくだけという、非常に簡単な、保育園児だましの手品である。
それでもやっぱり純粋無垢な保育園児は信じる。
「オー!」といった歓声が上がり、僕も正直驚いた。
すごいなぁ、僕も帰ったらやってみよう。
家に帰ると嬉しそうにお母さんに「ラーメンあげるよ」と言い、お椀とティッシュを準備。見た通りティッシュをちぎってお椀に入れてお湯を注いだ。
テレビ台にある引き出しにそのお椀を入れて、、、
さあ、カウントダウン。
「1,2,3」
引き出しを開けた。。。
びちゃびちゃなティッシュがあるだけだった。
お母さんにラーメンあげるって言ってしまった。どうしよう。どうしよう。
と考えて、考えて僕は言った。
「お母さん、今日のところはラーメン買ってきてぇ」
何かちょっとばつが悪かった。




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