『ピースリーダーのストレス』第3話 手品に完敗

僕が保育園に通っていた頃のこと。

ある日、保育園の先生がみんなの前で手品を披露した。

その手品の内容は、ティッシュを細長くちぎり、それをラーメンのお椀に入れ、そこにお湯を入れてテーブルの引き出しに入れる。「1,2,3」と数えて引き出しの中からお椀を出すとラーメンが出来上がっているというもの。

この手品のタネはあらかじめ引き出しの中に出来上がったラーメンを忍ばせておくだけという、非常に簡単な、保育園児だましの手品である。

それでもやっぱり純粋無垢な保育園児は信じる。

「オー!」といった歓声が上がり、僕も正直驚いた。

すごいなぁ、僕も帰ったらやってみよう。

家に帰ると嬉しそうにお母さんに「ラーメンあげるよ」と言い、お椀とティッシュを準備。見た通りティッシュをちぎってお椀に入れてお湯を注いだ。

テレビ台にある引き出しにそのお椀を入れて、、、

さあ、カウントダウン。

「1,2,3」

引き出しを開けた。。。

びちゃびちゃなティッシュがあるだけだった。

お母さんにラーメンあげるって言ってしまった。どうしよう。どうしよう。

と考えて、考えて僕は言った。

「お母さん、今日のところはラーメン買ってきてぇ」

何かちょっとばつが悪かった。

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